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OBインタビュー

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浅利悟「積み重ねを観てくれる人は必ずいる」


第6回OBインタビューは、育成部として主にU-15を統括し、選手育成に携わっている浅利悟。育成部としての日々の仕事に対する思いや現役時代の話まで、熱く語っていただきました。全3回に分けてお届けいたします。本日は、後編をお届けします!

前編はこちらから
中編はこちらから


◆苦しい時にこそ存在感を発揮してきた。背番号7に関しては?

「東京加入1年目はサンドロ・チャベス・デ・アシスが付けていて、2年目から背番号7を背負うことになりました。自分から言った訳ではなかったのですが、高校の時に3年間ずっと付けていて、大学でも7番だったから。人一倍、思い入れは強かったです。今でも、やっぱり背番号7は気になります(笑)」


◆浅利選手の後、加入2年目の米本拓司選手(現名古屋)が付けることになりました。

「僕がヨネに付けてほしいと言いました。ヨネが新加入した2009年に、自分が引退することが決まって、正直に『ヨネに抜かれた』と思いました。
ヨネが加入する時に『浅利選手をめざしたい』というようなことを言ってくれていたんです。彼の言葉の真意は、決して僕のプレーを観て、ということではなかったはずで。
だからこそ、姿勢や気持ちの部分=自分が大事にしてきたものを、ヨネだったら継承してくれるだろうという気持ちがすごくあって、ヨネに託しました。
今は、タマ(三田啓貴)がつけてくれています。2選手共に、プレーとしては僕より全然すごいですよ。間違いない。
でもタマは、東京のアカデミー出身とはいえ、最初に僕がスカウトして獲ってきた選手であり、明大の後輩でもあって。だからこそ、ただのサッカー小僧にとどまらず、もっともっと気持ちの見える愛される選手になってほしいと思いますよ」


◆米本選手は移籍しましたが……。

「それは、いちプロ選手の選択として仕方がないとも思うし、自分ももしプロだったら……と理解できることでもある。かつてとは移籍のルールも違いますしね。
それでも、今こうしてクラブスタッフとして思うことは、誰が試合に出場しようが、出場しまいが、みんなで勝利に向かうぞという雰囲気はクラブとして作ることができるものだと思うんです。強く、愛されるクラブをめざす中で、自分の力はわずかだとしても、そこに貢献したいという気持ちはあります」



◆引退時に「東京を日本一のクラブにしたい」と言われていました。浅利さんにとってFC東京とは?

「何をもって日本一だというのは難しいのですが、Jリーグで優勝することで新たに様々な景色が見えてきて、再びクラブ全体がそこに向かって進んでいくことができるのかもしれません。
ただし、僕が思うのは……。よく『大事な試合で勝つことができて』だとか『大事な試合でミスをして』と言うことがあるけれど、僕が教わってきたのは『いやいや、この試合が大事だって誰が決めたの?』ということ。
選手当時にも、コーチだった長澤徹さんから『大事じゃない試合なんてひとつもない。いつ、どこでプレーしても同じ90分。その積み重ねを観てくれる人は必ずいる』と言われ続けてきました。
勝ち負けだけではなく、東京がそういう姿勢をもっていたからこそ、あの頃から応援してくれたファン・サポーターがいて、増えて、大きくなってきたクラブだと思うんです。そこは絶対に忘れずに、日本一をめざしたいと思います」・・・・・・
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