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OBインタビュー

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〖完全無料公開〗 浅利悟「育成年代は本当に大事な時期である」


第6回OBインタビューは、育成部として主にU-15を統括し、選手育成に携わっている浅利悟。育成部としての日々の仕事に対する思いや現役時代の話まで、熱く語っていただきました。全3回に分けてお届けいたします。本日は、前編をお届けします!


◆2009シーズンをもって選手活動を終え、その後クラブのスタッフ職に就かれました。ここまでの仕事について聞かせてください。

「最初に広報として関わり、2011年からは強化部として実務面を学びつつ、スカウトも務めました。その後、2016シーズンからクラブにU-23が発足し、U-18も強化としての一端を担うという観点から、強化と育成の連動、連携を図るための業務に就きました。昨年からは育成部として主にU-15を担当しています」


◆育成部のU-15担当はどのような内容ですか?

「選手宿舎や食事などを含めた環境づくりや、コーチングスタッフ、選手のマネジメントを担っています。ひとりでも多くの選手をトップチームに送るため、U-18への昇格基準もクラブのビジョンに沿って、スタッフが最終的に決断できるように推し進めることも役割です。だから深川とむさし共に試合はもちろんのこと、できるだけ普段から練習も観るようにしています」


◆「育成のスピードを早める」こともクラブの目標のひとつですね。

「そのためには、縦の連携は緊密になっています。
U-23が作られたことで、U-18だけでなく、U-15の選手たちも、ひとつ上のカテゴリーに押し上げるような取り組みを続けてきました。一昨年の安田虎士朗(当時U-15深川)、大迫蒼人(同むさし)、昨年は熊田直紀(同むさし)らが、コンスタントにU-18での活動に参加していました。個々の成長のためのサイクルづくりという点で、他クラブにはないシステムではないでしょうか。
それが好循環をもたらし、U-15、U-18共にチームとしての結果にも表れているように思います。
ただ、育成の評価というのは、最終的にどれだけのタレントがトップチームで活躍しているかによって測られるもの。そこに関して、我々がもっとやるべきことがあるのでは、と試行錯誤の日々です。僕自身は指導に携わった経験がなく、難しさも感じていますが……」



◆どのようなところに難しさを?

「プロチームとしての強化視点をもちつつ、これまでスカウトとして様々なレベル=高校生や大学生、他クラブの育成年代など、多くの“現場”を見てきました。そこで改めて感じたことは、育成年代って本当に大事だなということ。この3年間、あるいは6年間の過ごし方が、人格形成を含めて選手のベースに大きな影響を与えます。
東京には良き指導者が揃い、サッカー面で成長させられるという自負はありつつも、たとえば苦しい時に発せられるエネルギーのようなもの、逆境を跳ね返す力は、高校や大学を経由した選手のほうが強いと感じることもあります。
そのあたりがさらに身につけば、トップチームで活躍できる選手をより多く送り出せるのではないか、何かをきっかけにして早送りができるのではないか……と模索しています」


◆実際にトップには渡辺剛選手(U-15深川→山梨学院高校→中央大)をはじめ、アカデミー出身で高校、大学経由の選手たちもいます。

「彼らのことはアカデミーのスタッフは常に気にかけていますよ。何高校の誰々が、この試合に何分出場してどうプレーしたか、と。
育成部では、基本的に『どのようなサッカーでも、どのような指導者のもとでも』とうたっていますし、たとえ昇格できなくとも、タイミングの問題もある。『いつかは必ず戻ってきてほしい』というスタンスで臨んでいます。だから高校に進んでも、大学であってもずっと見続けている。そこも強みかもしれません」

中編へ続く。。。・・・・・・
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