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プレイヤーズ インタビュー

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林彰洋 選手インタビュー【前編】


林彰洋 選手インタビュー<前編>

――林選手はFC東京に加入して今年で在籍4シーズン目になりますが、過去3シーズンはどのように捉えていますか?


1年目の2017シーズンは「ここでも自分のプレーができる」という自信がありながらも、振り返ってみると試行錯誤を繰り返していた時期が長かったと思います。

その振り返りを活かして臨もうとした翌2018シーズンも、終わってみると力を出しきれず、満足のいく手応えがありませんでした。

2018シーズンは長谷川監督へと交替し、2019シーズンになってはじめて、チームとしてのやるべきことと自分のやるべきことをある程度整理したうえで臨むことができたと思います。

――長谷川監督が2018シーズンの基礎を活かし、継続してサッカーを積み上げた2019シーズンからが本領発揮といったところでしょうか。今年に関してはいかがでしょうか。 

昨年に関しては、確かに継続して積み上げたものを感じ、はっきりとした手応えもありました。

2020シーズンに関しては4-3-3というシステムを採り入れてまた新たな挑戦をしている面があり、単純な積み上げではないのかな、とは思います。

――成長していくために必要な変化もあるということでしょうか?


従来取り組んできたものを精度を上げればその分強くなっていくという部分ももちろんあります。ただ長谷川監督が攻撃においてプラスアルファと呼べるものをつくりたいという想いがあるのは間違いないことですし、昨年は守備の面ではそれなりに良いかたちができました。それができたのであれば今度は攻撃の成長や発展という方向に転じてもいいのではないかと、監督からするとそういう目線での考えなのかなと。

あとは今年のメンバーによる変化ですよね。

新たに加わった選手たちの能力を見て4-4-2とは異なる4-3-3の新たなポジション、ウイングであるとかインサイドハーフ、アンカーを試す価値があると判断したのだろうなと思います。

ただ新たなフォーメーションを効果的に運用していくためにはコツというものを早く掴まないといけない。

そしてそのコツを掴む努力をもっとしていかないといけないと、自分自身に強く言い聞かせています。

――新しくなったところ、変わったところを浸透させていくためにキャンプの準備期間もありますが、やはりその辺りは実戦で熟成させていくものですか?

そうですね、試合を通じてつくっていかないといけないものもありますし、ピッチ外で事前に頭の中を整理しておかないといけないものもあります。

だから両方を高めていかないと。

昨年に積み上がったものがあるから今シーズンは大丈夫だろうと考えてしまうと、それは安易だなと思います。

――4-4-2とすばやい切り替えで失点を抑えつつ効率的に得点できたのが昨年のFC東京でした。しかし4-3-3になるとまた攻め方が変わり、そこへの守備陣の関わり方が変わり、全体が変わってきますね。

フォーメーションが変わるならば攻撃の仕方は変わらないといけないですし、実際に変わっていくものだと思います。その攻撃と守備の関わり方において、ディフェンス陣が意識しているのは、良い守備から良い攻撃につなげるということ。



もちろん、得点を増やしたり自分たちの時間をつくるためのポゼッションの要素も、上位に行くためには必要不可欠だと思いますが、まずは良い守備で相手に崩させないというチームの基盤が必要だと思うので、それをどうするのか。

4-4-2でできていた守備のブロックが、4-3-3だと人数的なものもあって変わってくるのであれば、その対応を賢くやらないといけないと思います。

――たとえば4-3-3の構造上生じるスペースのカバーも考えるなど、増える作業もありそうですが、そういう変化はあまり気にする必要はない性質のものでしょうか?

それが深刻な問題になるかどうかは、これからの僕ら自身が戦術をどう浸透させていけるかによると思います。先ほども言ったように、4-3-3のフォーメーションのコツを自分たちがどう掴むかと、そういうところにかかっていると思うのですけれど、今のままだと、正直なところまだ厳しいと思います。

もう数ヶ月前の話になってしまいますが、実際にリーグ開幕戦では勝利を収めました。ただ、試合内容は悪かったでしたし、常に相手に主導権を握られる状況でした。その試合を、ブラジル籍選手たちのコンビネーションだけでひっくり返し、勝点3を獲れたという結果だったと僕自身は捉えています。



勝ったこと自体は良かったですが、ブラジル籍選手同士のコンビネーションに頼らないと点が取れない、攻撃ができないというのは本望ではないですね。繰り出せる武器をいくつも持ち、いろいろな選択ができるチームでありながら、そのひとつとしてブラジル人のコンビネーションを使えるという状況になっているのなら良いのですが、新監督になって日が浅くまだ完成度がそれほど高くなかったはずの清水エスパルスに対して、もちろんアウェイでの開幕戦という難しい条件であったにしても、相手に押されてそれを受けてしまう試合になったことはやはり反省材料です。

あのようにボールを支配されると難しいゲームになることが多くなるだろうとは思っています。

――昨年はバランスのいい守備を実現しましたが、守備陣がその再現を果たすことで状態はよくなっていくのでしょうか?

そんなに甘くはないと思います。

開幕戦も何度失点してもおかしくないシチュエーションがありましたし、状況としては楽観的ではいられないな、と。4-3-3で臨んだ場合のブロックのつくり方はもう一度見直さないといけないと思いますし、守備の仕方も前から行くのか後ろから行くのかによっても変わってきます。



現実問題、チームとして詰めないといけないところはまだまだ多いのかなと思います。

――ただ、ここまでの数年間で、そのように詰めていく作業ができる協調性は既にあるのでは・・・
後編はこちらから



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