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OBインタビュー

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奥原崇「安部柊斗、彼自身が本当に頑張ってプロを掴み取った」


第5回OBインタビューは、育成部部長の奥原崇。育成部長としての日々の仕事に対する思いや情熱、指導者としての在り方など熱く語っていただきました。全3回に分けてお届けいたします。本日は、後編をお届けします!


◆国体の監督時に印象に残ることは?

東京都選抜には、高校1年の安部柊斗選手、柳貴博選手(現在、山形に期限付き移籍中)、神谷優太選手(愛媛)、井上潮音選手(東京V)、早生まれで2年生の相馬勇紀選手(鹿島)、中学3年の岡崎慎選手たちがいました。
国体は16歳以下のため、その時点で自チームのレギュラーを掴んでいる選手は、ほとんどいませんでした。

本大会では優勝することができ、そこで選手たちに話したのは、ありきたりですが「ここが通過点だよ」ということ。
「勝負事なので結果はどうあれ、優勝にいたるまでの活動を自信としていい。自チームの3年生や先輩ともガツガツと戦い合える状況を手に入れ、ここからレギュラーを掴み取れ。そうやって1年生から試合に出続ければ、当然プロへの道も開けてくる」と。そう話したことは、はっきりと覚えています。

この活動をきっかけに飛躍した選手もいて、時を経て、1人、2人とプロが増えてゆき、少し感慨深い気持ちもあります。
個人的には、岡崎選手や柳選手はもちろんですが、ここで安部柊斗選手が大学を経由して東京に帰ってきてくれたことが本当にうれしいですね。



◆当時の安部選手は?

国体の年の正月明けから活動がスタートした時、私自身、彼が本大会のスタメンになるという確信を持つことができませんでした。言い方が失礼ですが、U-15むさしからU-18に昇格した当時は、そこまで「特別」ではなかったかなと。けれども春を過ぎ、夏の段階ではもう「外せない選手」になりました。

柊斗は、何よりサッカーに向き合う姿勢、情熱が図抜けていました。試合もそうですが、「この活動をとおして何かを掴んでやろう」という気持ちが突出していたんですね。
結果的に「うまくなりたいという向上心がこれほど強ければ、差があっても埋められる」と教えてくれた選手でもあります。

そこから彼自身が本当に頑張ってプロを掴み取った。まだスタートラインに立ったばかりですが、すごく楽しみですね。
柊斗や、それこそ矢島輝一や渡辺剛がトップで活躍してくれることでアカデミーに与える影響は大きいですし、夢も広がります。



◆大学を経由した選手たちが与えてくれるものも?

今、アカデミーのコーチ陣は毎日のように彼らの話をしているようです。
私たちにとって「今の選手の成長速度を早める」ことはひとつのテーマですが、彼らのアカデミー時代をさかのぼって、現状に活かすことはできますから。

また、当時は身体が小さかったり、成長が遅かったり、伸び悩んだりしていたかもしれない。けれども「すぐにプロ」とはいかなくとも、どこで大きな飛躍をするかは分からない訳で。そこをクラブとしても追い続ける。彼ら自身も努力を続け、こうして東京に帰ってきてくれる。それは心からうれしいことです。



◆では最後に、奥原部長にとってFC東京とは。

「夢」です。
FC東京は自分が選手としての夢を叶えられた場所でもあるし、これからの夢を叶える場所でもある。ファン・サポーターのみなさんを含めてFC東京が大好きな人たち、東京に関わるすべての人たちの夢を叶えていく場所でありたいと思っています。

今、かつて教えた選手が戻ってきたり、アカデミ―から大学に進んで「将来、東京の社長なる!」と言い続けている選手もいたりして(笑)。このクラブを大好きな人たちが、ここで仕事をしやすいような環境を整えることが大事だと。それが私自身の大きな「夢」にもなっています。・・・・・・
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