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FC東京U-18「トップチームで活躍する夢への一歩」


「トップチームで活躍する夢への一歩」


多くのチーム関係者が観戦に訪れた、高円宮杯プレミアリーグEAST第3節、横浜F・マリノスユース戦。この試合には、2種登録選手としてトップチームに帯同し、不在になることもあるDF森田翔、MF梶浦勇輝、FW野澤零温が揃って出場。

前半18分に俵積田晃太のクロスを野澤がヘディングで叩き込みFC東京U-18が先制。しかし後半20分、横浜FMの10番横溝広太の左足シュートで追いつかれた。その後野澤は安田虎士朗との連携で高い個の力を活かし、相手ゴールに迫るがなかなか勝ち越し点を奪えず、タイムアップ。勝てた試合を引き分けにする、悔しい結果となった。

FC東京U-18中村忠監督は「2点目、3点目を奪えればこっちのゲームに持ってこれる。しかし結果的にはそこが奪えなかったことで、時間とともにエネルギー不足というか1つひとつのプレーの精度が落ちて、だんだん相手のゲームになってしまった」と、試合を振り返った。

野澤も試合後、自らの得点のことよりも、勝利に繋がるあと1点を奪えなかったことを反省していた。さらなるレベルアップの必要性を語るU-18のエースに、トップチームに帯同している現在、やはり来季の昇格を目標にしているかを訊ねると、それが夢であると答えた。

「ユースからのトップ昇格にこだわっていて、今のところはまだ大学サッカーの選択肢は考えていません。本当に小さい頃からの夢だったんです。トップも決して手の届かないところではないと思う。でも昇格のためには、今日のようなシチュエーションでも結果を出さないといけません。もっともっと質にこだわって絶対トップに上がれるようにしたいです」

こう語った直後のルヴァンカップグループステージ第3節、大分トリニータ戦の遠征メンバーに森田、梶浦、野澤の3人が招集された。長期離脱していた先輩の品田愛斗も復活して久しぶりのベンチ入りとなり、二人のゴールキーパーも波多野豪と野澤大志ブランドンで編成され、さながらFC東京U-18出身の多くのメンバーとなった。

この遠征に、U-18の3人は意気込んでいた。たとえピッチを踏まなかったとしても、トップチームに加わり試合に参加するということには大きな意味がある。

横浜FMユースと引き分けた試合後、「あともう少しのところで詰めの甘さが出てしまいました。前節(第2節横浜FCユース戦)に関しては負け試合を同点に追いつくことができました(前半2点のビハインド、後半に2点を取って追いつく)が、今節は勝ち試合を同点にしてしまい悔しいです」と言っていた森田にとっても、次のステップを踏む場が訪れたことに、思うところはあったようだ。

「自分はキャンプにも参加出来ず悔しい想いをしていたので、トップの練習試合でアピールしようと思っていました。参加した練習試合のあとに、トップ登録していただき素直に嬉しいです。今日の試合は、出ても出なくても、東京の一員としてしっかりした振る舞いをしようと思います」

サイドバックもこなすセンターバックである森田は、ビルドアップにも定評がある。しかし故障者が出ているサイドバックで出場したとしても、得意の1対1や球際のところでがんばりたいと口にしていた。

他方、守備的な能力が持ち味のボランチである梶浦も、今後伸ばしていくことになる攻撃面ではなく、得意のボール奪取で貢献したいと話していた。もうお客さんではなく、チームの一員。ピッチに入れば具体的に役立つ必要があり、出なかったとしてもベンチメンバーとして出来ることをしないといけない。

「ベンチ入りは良い経験になると思うし、嬉しいです。自分が高校1年生のとき(2019年のU-23最終年)には一度もJ3に参加していませんでしたが、トップの経験がないなかで今年はキャンプに呼んでもらいました。だからこそもっとやれるところを見せないといけない。この帯同を経験で終わらせず、今後に活かしていきたいです」

そして野澤は、キャンプから重点的に指示を受けているプレーを忠実に実行しようとしていた。相手最終ラインの背後へと抜け出すこと、味方からボールを引き出し攻撃の起点になること、前からプレッシャーをかけてボールを奪いに行くこと。

「U-18の代表としてトップの一員になるからには点を取りたいです。取れなくても前線からの守備や背後への抜け出しなどやるべきことをやれば結果もついてくると思うので、謙虚にやっていきたいと思います」



大分と東京の試合は緊迫したものとなり、1点差の勝利。この試合でのユースっ子たちのルヴァンデビューはならなかった。しかし小平グランド内の通路を隔てて隣にあるコートで練習や練習試合に励む過程を経て、実際に公式戦のメンバーとして帯同したことは大きな一歩であるはず。この刺激を受けて彼ら自身がさらに成長すると同時に、U-18のチームメイトたちも、プレミアでより上位をめざす意欲を高めてくれるはずだ。



(c)F.C.TOKYO