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ぽんぽこ広場

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【右田 聡】上達の秘訣

スクールやサッカー教室で、子どもたちや保護者の方から良く聞かれます。

「どうやったらうまくなれますか?上達の秘訣はありますか?」


参考になるかどうかわかりませんが、先日ある本のなかで面白い話を読みました。

ある民謡歌手の修行のお話です。昔の民謡歌手は中学を卒業すると、プロの歌手のもとに住み込みで内弟子に入っていたそうです。

そこでは忍耐の世界が待っていて、朝早くから夜遅くまで、歌の練習などする暇もなく家事や雑用に、表現は悪いですが「こき使われる」そうです。

そうしてまともな歌の修行をすることもないまま4、5年ほどすると、あるとき師匠に呼び出されて、その前で突然歌えと言われるらしいのです。

するとどうでしょう。練習もしていないのに、かつての自分より1オクターブ以上も高音が出て、教わってもいないのに「こぶし」も見事に回るようになっていたのだそうです。

つまり毎日毎日、家事や雑用に追われながらも、自然とプロの師匠の歌声、節回しを聞き覚え、いつの間にか体の内部で発声器官が育っていたというお話です。

今ではもうこのような風習は無くなったそうですが、いわゆる「無意識の教育」だったのかもしれません。


これをそのままサッカーに置き換えることは出来ませんが、上達のヒントにはなるのではないでしょうか。

サッカーはまず「やってみること」が一番大事です。

「練習は永遠であり、完結することはない」という格言もあるほど「練習する」ことが上達への第一歩であることは間違いありません。

それに加えて民謡歌手の修行の話のように「良いサッカーの試合をたくさん観る」ことも上達へのひとつの秘訣といえるのかもしれません。

幸いなことに最近では、情報網、情報機器の発達によってJリーグをはじめ、海外リーグ、各年代の世界大会など、レベルの高い試合を数多く視聴できる環境が整っています。

プロの選手やチームの、質の高いプレーや動きを目に焼き付けておけば、自然と無意識のレベルで自分自身のプレーとつなぎ合わせようとする能力が、人間(特にまだまだ脳の発達著しい子どもたち)には備わっているのではないでしょうか。

まず「練習する」こと。

そして「観る」こと。

やっぱり「サッカーに数多く触れていること」が上達の秘訣なのでしょうね。

言うまでもありませんが、サッカー観戦は「生」で観るのが一番です!


ぜひ子どもたちと一緒に「味の素スタジアム」へお越しください!


(c)F.C.TOKYO