2012年度 Vol.1『食事で熱中症予防』
こんにちは。FC東京栄養アドバイザーの久保田です。
すっかりご無沙汰してしまいました。でも、このご無沙汰している間に、いろいろな嬉しいことがありましたね!
もう5カ月もたつのですが、選手たちは『強くなって1年でJ1復帰!』という約束を見事果たしてくれただけでなく、史上初となるJ2で天皇杯優勝という快挙すら成し遂げてくれました!
さらに、『東京ばく進劇』はまだまだ続き、本日のACLラウンド16もそうですし、日本代表に多くの選手が選出されたり・・・改めて、FC東京の持つ“チーム力”を実感しています。嬉しいですね!
これからも、どうぞ一緒にチームを応援してくださいね。
さて、本題です。
5月も半ばを過ぎたころから『明日は(あるいは、きょうは)暑くなるようです。こまめな水分補給で、熱中症を予防しましょう!』というアナウスをニュースや天気予報で耳にする機会が増えてきました。
今年も節電が言われていますし、熱中症予防はスポーツ時だけでなくいつでも、だれにでも必要なものです。
今回のぽんぽこ広場は『熱中症予防』を主に食事から考えていきましょう。
1、熱中症とは?
ふだんふつうに聞いたり、使ったりしている『熱中症』ですが、意味を正確に考えてみたことはありますか?
改めて『熱中症とは?』と言われたら、なんと答えましょう。
『熱射病や熱けいれんなど暑熱環境で発生する障害の総称です。
高温多湿の環境でカラダの機能に異常をきたし、体温上昇、発汗停止、けいれん、こん睡などを起こす疾病のこと。場合によっては生命の危機を伴うこともあるので、非常に注意が必要なもの。』が一般的な答えと言えるかと思います。
この説明だけからも“命に関わる”たいへんなことだと分かって頂けますでしょうか?
2、予防策はあるの?
日本知育協会でも『知って防ごう!熱中症』という呼びかけをしているように、今では『熱中症は防げるもの』という考え方が一般的です。
具体的には、皆さんご存知のように“こまめな水分補給”をしていくことの大事さなどですが、それはもう当然のこととして、それ以外の注意点をご一緒に考えていきましょう。
(1)ふだんから体調管理をする
体調を崩したり、疲れが溜まっていたり、寝不足だったりすると、ふだんなら大丈夫なことが大丈夫でなくなります。これは、熱中症でも同様です。暑くなると寝苦しかったりして、寝不足になることもありますが、いつでもコンディションを整えておく“体調管理”は大事です。
(2)やはりバランスのとれた食事が大事です
『ぽんぽこ広場』も3年目になるので、『バランスのとれた食事』と申し上げただけで、『あぁ、あのコマね!』と仰って下さる方も多いのではないかと思いますが、そう“あのコマ”をイメージした食事をいつも心掛けて下さい。
あのコマ、もともとは健康な生活を営むための指針となる食事の摂り方を示しているのですが、あのコマのイメージがいつも浮かぶ方は、自然と栄養のバランスのとれた食事が摂れるものです。
そして、あのコマの分類が分かっていて下されば、好みや季節による差し替えが可能です。(ちなみに、コマの軸は《水分》を表しています)
↑あのコマ!
(3)《汁物》を飲む
『水分補給と言えばスポーツドリンク!』これが合言葉のようになっていますが、私は食事と一緒に摂る汁物も“食事中のスポーツドリンク”のようなイメージでいます。
みそ汁でも、すまし汁でも、スープでも・・・塩分濃度は0.8%~1%くらいで、私たちの体液とほぼ同じ濃度です。
これからの暑い季節は、汗の材料となる水分をあらかじめ体内に蓄えておくという意味でも、特に朝食時に“汁物”を飲むことはおススメです。
ちなみに、汁物に限らず、食事をするということは、『エネルギーを補給する』だけでなく、水分の補給にも繋がりますので、朝食摂取の大事さは再認識してくださいね。(果物や野菜が多くの水分を含んでいることはよくご存知だと思いますが、実は“ごはん”も60%くらいは水分です)
3、牛乳と熱中症対策の関係
最近TVで『牛乳が熱中症対策に効果あり!』というのをやっていたようで、私が講義を受け持っている大学の学生からも『牛乳で水分補給すればよいの?』という質問を受けました。
ちょっと考えてみて下さい。“こまめな水分補給”に牛乳を使用するということを・・・
正直言えば、暑い中で、運動中に、牛乳でこまめな水分補給というのは、私自身はあまり気が進みません。もう少し、さっぱりしているものの方がスムーズに飲めそうな気がします。
では、TVでやっていたのは…?と言いますと、熱中症予防には“暑さに強い身体”が必要との大前提で、それには《運動(速歩)+その後の牛乳》が効果的ということのようです。
運動後に牛乳を飲むことで、結果的には血液を増やすことにつながる、“血液は汗の材料”なので血液量が増えれば、汗をかきやすくなり、体温の上昇を防ぐことにつながると言うことのようです。
牛乳を飲んだから、すぐ熱中症予防になるというものではありませんが、長い目で見て“からだを変えていくこと”はとても大事なはずです。
今から努力をなされば、効果が期待できるかもしれません。
どちらにしても、日本人はカルシウムの不足が言われ続けていますので、その点からも定期的に牛乳を飲むのは良いことだと思います。
ただ、『水代わりの牛乳』にはならないよう適量をちょうど良いタイミングで摂られると良いですよ。牛乳を水代わりにすると、脂質の摂り過ぎにつながります。参考までに、ふつう牛乳をコップ1杯(200ml)飲むと、約8gの脂質が摂れることになってしまいますよ。
状況によって、低脂肪乳や脱脂乳を使い分けてみるのも良い方法ですね。
熱中症は、身体が暑さになれていない梅雨の晴れ間や、梅雨明けすぐの頃が多いと言われています。今から“我が家流熱中症対策”を考えていただくきっかけになると嬉しいです。