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【久保田 尚子】みんなのスポーツ栄養vol.9

『食事で風邪予防』

こんにちは。FC東京栄養アドバイザーの久保田です。

ちょっと時間がたってしまいましたが、トップチームは、『強くなって、1年でJ1復帰!』の約束を見事果たしてくれましたね。ありきたりの言葉ですが、本当に本当に嬉しかったです。

また、ゴール裏に掲げてあった横断幕が、『一年間お世話になります』から『一年間お世話になりました』に変わっていたのも印象的でした(笑)

天皇杯、熊谷での準々決勝でも、クリスマスイブにふさわしい大きなプレゼントで寒さを吹き飛ばしてくれましたね。そして、明日はいよいよ2年連続の天皇杯準決勝です!

どうぞ元日国立につながるよう、皆様のパワーを選手たちに送ってくださいね。


さて、きょうは“食事で風邪予防”についてです。日々寒くなってきているこの頃、風邪やインフルエンザも少しずつ流行ってきているようです。そんな風邪も、実は食事で(多少は)予防することが出来るのです。

まだまだシーズン真っ最中で、寒い中でも頑張っている選手たちにも、折に触れて“風邪予防と食事”の情報は伝えているのですが、今回は、その情報も含めてお伝えしますね。

風邪をひかないとは

『風邪をひかない⇒免疫力や抵抗力を高める⇒(具体的には)ウイルスなどが体内に入り込まないようにする』という図式が考えられます。

『ウイルスが体内に入り込まないようにする』ということは、ウイルスと体内との接点になる“粘膜”を強化することが大事です。鼻やのどの粘膜を“外界”との接点とすると、その粘膜が乾燥することでどうしてもウイルスの侵入を許してしまうことになりがちです。つまり、粘膜を丈夫にすることが“風邪をひきにくい”につながると言えます。

もうひとつ『風邪をひきにくくする』のは、『免疫力』を高めることです。最近ちょっと流行の『免疫力』ですが、簡単に言うと『体の抵抗力』で、具体的にはウイルスと闘う“白血球”の働きを強化することです。それをアップさせることで、同じ環境でも風邪が引きにくくなります。

粘膜強化の食事とは?

では、粘膜を強化する働きのある栄養素について、考えていきましょう。

粘膜を強化する働きのある代表的な栄養素はビタミンA(β-カロテン)”です。ビタミンAは、鼻やのどの粘膜の他に目の角膜や消化器などの粘膜を正常に保つことに関わる栄養素です。

ビタミンAが不足することで、上皮組織が乾燥します。私たちも寒くなると手が乾燥してきて、ひび割れたりガサガサしたりしますよね。極端な言い方をすると、あの“ガサガサ(に近い状態)”がのどや鼻の粘膜でも起こるということなんです。

“のどがイガイガする”あの感覚が、まさに粘膜が乾燥してきていることです。手荒れからもお分かりいただけるかと思いますが、乾燥することによって風邪のウイルスが体内に侵入してしまうわけです。

では、ビタミンAについてもう少し詳しく見ていきましょう。

ビタミンA(レチノールとβ-カロテン)について

ビタミンAは、ビタミンAの形で動物性食品に含まれている『レチノール』と、もう一つ緑黄色野菜などに含まれている『β-カロテン』があります。(β-カロテンはカロチノイドという色素の一種で必要に応じて体内でビタミンAに変わります)そのどちらも皮膚粘膜を正常に保つ働きには変わりがありません。

では、それらについて注意事項と共に少し詳しく見ていきましょう。ビタミンAは代表的な脂溶性ビタミンです。具体的にはレバーやウナギのかば焼きなどに多く含まれています。

“脂溶性”ということは、身体に蓄積しておけるということなので、極端に多く摂り過ぎた場合には“過剰症”を発症する可能性もあります。毎日毎食レバーやウナギのかば焼きを食べたりという偏った食生活をしていれば“過剰症発症”の可能性もありますが、ふつうに食事をしている限りは大丈夫でしょう。

それに比べ、かぼちゃやほうれん草、みかんや柿などに含まれる『β-カロテン』は必要に応じて体内でビタミンAに変わるので、“過剰症”の心配はありません。(※ビタミンAには、今回注目している粘膜強化の働きの他に『夜盲症予防』の働きもあります)


免疫力強化の食事とは?

備わっていれば、風邪をひきにくいだけでなく、風邪を引いたとしても回復が早いというように、最近は“免疫力アップ”ということばが、健康にかかわるKeyWordのようになってきた気がします。そんな免疫力には、様々な栄養素や栄養成分が関わっていますが、ここではウイルスと闘う白血球強化に注目してみます。

白血球強化と言えば、ビタミンC!ですが、実はビタミンCには、白血球の働きを強化だけでなく、ビタミンC自体にウイルスと闘う力があると言われています。


ビタミンCについて

ビタミンCと言えば、ビタミンの代表格といったイメージですね。そして、清涼飲料水に『レモン〇個分のビタミンCが入っています』とあるように、“レモン”を想像する方も多いかと思いますが、決してレモンだけがビタミンCの宝庫というわけではありません。

ミカンなどのかんきつ類、キウイフルーツ、これからがシーズンのいちごなどの果物はもちろんですが、その他にブロッコリーやピーマン、かぶの葉、小松菜、ほうれん草などの緑の濃い野菜や、さつまいも、じゃがいもなどにも含まれています。

また、ビタミンCは水溶性ビタミンなので過剰症の心配はないのですが、一度に何百㎎も摂ったとしても、ほんの数時間で排泄されてしまいます。つまり、毎食少しずつとるようにした方が効果的と言えます。ということで、風邪予防を念頭に置いても《食事バランスガイド》に則った食事が大事ということが分かりますね。

また、ビタミンCは免疫力を高めるだけでなく、サッカーをする上で“見方になる”すごい栄養素ですのでぜひしっかり摂っておくようにしましょう。(ビタミンCの詳しい働きは、また別の機会にお話ししますね)


もうすぐ楽しいお正月!
風邪などひかないで、元気に新年が迎えられるように、今回は風邪予防についてお伝えしました。

では、みなさまどうぞよいお年をお迎えください。

スクール事務局より
12月28日(水)から1月5日(木)までスクール事務局は休業とさせていただきます。2012年は1月6日(金)10時から開始とさせていただきます。


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