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【久保田 尚子】みんなのスポーツ栄養vol.8

こんにちは。FC東京栄養アドバイザーの久保田です。

トップチームのリーグ戦残り試合は、次節湘南戦を含めあと5試合になってしまいました。ここのところちょっと足踏みをしていますが、きっと最後にはみんなで笑えると私は信じています。天皇杯もありますし、これからも応援をどうぞよろしくお願いします。


さて、きょうは“食習慣”についてです。生活習慣のなかでも大きな割合を占めている食習慣は、サッカーのパフォーマンスだけでなく、“健康”への影響も大きいものです。ということで、今回は、その食習慣についてご一緒に考えてみましょう。


サッカー選手的食習慣とは?

FC東京の選手は、食事に関しても真面目な選手が多いような気がします。そんな選手との会話でも、“食習慣”のことが話題になることもあります。

ある選手は、脂質に関してこんなことを言っていました。

脂がのったもの、美味しいと思うけど、ちょっと我慢食べなくて平気あまり脂っぽいものは食べたくない!に変わってきた』とのこと。

これは、かなり印象的でした。

もちろん“脂質”は大事な栄養素です。(ちなみに、脂質の働きですが、エネルギー源になるのはもちろんですが、その他に細胞膜や血液、ホルモンの材料だったり、神経の情報伝達に関わったり、脂溶性ビタミンの吸収にも欠かせないものです。)

ただ、ふつうに食事していれば、現代では“不足”より“摂り過ぎ”が心配になる栄養素です。

特に、サッカー選手にとっては、試合前は“低脂肪”の食事を心掛けることで翌日のパフォーマンスに大きな違いが出ると言われていますので、“低脂肪”の食事に“違和感”をもたないような“食習慣”はとても大事なことです。

余談ですが、“低脂肪”を正しく理解して、その方法を身につけておくことは、サッカー選手でなくても大事なことで、“一生の財産”ともいえるものです。正しい脂肪の減らし方は、メタボリックシンドローム予防や正しいダイエットにもつながるものです。そんな意味でも“一生の財産”なんです。

脂肪の減らし方~具体的に~

低脂質の食事は何だか味気ないような気がする方も多いと思いますが、それも考え方です。脂質は大事な栄養素なわけですから、一切食べてはいけないものではありません。つまり、総量を抑えるために、食べ方にメリハリをつけるようにすることです。

レストランで食べるようなフランス料理のコース料理だと、メニューのほとんどが“油使用”の料理かもしれませんが、私たちは毎日レストランで食事をするわけではありませんよね。

つまり、家庭で作る料理は、良い意味で“なんちゃってフランス料理”にしてほしいと思うのです。バターやオイルが控え目でも仕上げられる“フッ素樹脂加工”のフライパンや鍋を使ったり、“ダマの出来にくい小麦粉”などを使うとバターをほとんど使わずに“ルウ”が出来ます。

これは、“なんちゃって洋風料理”にとても便利なものです。例えば、バターを使わないで、牛乳たっぷり&チーズでコクを出したホワイトソースを作れば、子どもたちの大好きなグラタンだって、脂質控えめで作れます。コーンクリームスープだって同じです。

みんなが大好きで、食欲がないときに強い味方の“カレー”も、市販の普通のルウで作ると実は脂質がちょっと心配なメニューです。でも、それも工夫次第。

例えば、肉と玉ねぎはフッ素樹脂加工のフライパンを使ってごく少量の油で炒めるけど、にんじんやじゃがいもは炒めないで直接煮てしまうとか、ルウも脂質控えめの市販品を使うとか、ルウは半分くらいであとはカレー粉やスープのもとで味を調え、とろみは小麦粉やマッシュポテトの素やパン粉などでつけるとか・・・

脂質は大事な栄養素ですし、“うま味”の素にもなるものです。だからこそ、使うところは使う、でも使用量を少なくしても味に問題ないところでは控えるというように、メリハリをつけることが“なんちゃって洋風料理”の第一歩だと思います。

そして、その味に慣れること、その作り方に共感すること、そして“我が家流脂質控えめのコツ”を見つけることが、『一生の宝物』につながる良い食習慣なのです。

(後編に続きます。) 


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