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FC東京NEWS vol.170
Love&Peace~みんなと笑顔でいたいから~


永井謙佑

永井謙佑はわかりやすくて、わかりにくい。
50m5秒8の快足。それは、誰の目にも分かりやすい武器だ。でも、隠れた魅力がある。それは誰よりも仲間 を思いやれるところなのかもしれない。
「本当に、優しいよね?」
そう聞くと、謙佑は「いやいや、オレ、メチャメチャ厳しいから、鬼よ、鬼」と言って笑い飛ばす。
間髪入れずに、「いやいや、ちょっと待って」と制す。その笑顔の下にあふれ出てるよ、優しさが。プレーだ けでなく、普段の姿にも。

毎試合、必死に走る姿が印象的だが、それはなぜですか?

「後ろにいる仲間を信じているから走れる。全く知らないメンバーだとそれは難しいのかも。後ろがボールに向かって、いい距離感でグゥーッて押し上げてきてくれる。自分のところでボールが取れるとは思っていない。2つ目、3つ目のところでボールを奪えた時が“ファストブレイク”につなげられる。それが得点のチャンスになっていると思う」

―これまでのサッカー人生を振り返り、転機はどこにありましたか?

「小学校の卒業文集とかには、サッカー選手になりたいと書いてきたが、そのための努力というか、ストイックにやってきたわけじゃない。好きでサッカーを続けてきて、それがどんどんふるいに掛けられていくなかで、間違って世代別の日本代表(福岡大学時代にU-18日本代表)に“入っちゃった”。そこから人生が変わった」

ー昨シーズンは、たびたび家族ぐるみで付き合いのある東慶悟選手と食事会を開き、そこに若手を呼んでコミュニケーションの場をつくっていましたね。

「去年の開幕前から慶悟がキャプテンになると思っていた。慶悟は『オレはいいよ』って言うタイプ。でも、役割を与えられたら、あいつは絶対に変われる人間だと思っていた。あいつがキャプテンになって、オレも変わりたいとなおさら思った。若い選手も心を開いてくれて、歩み寄ってくれたことも大きい。5年後は、彼らがピッチに立っていないと、東京は強くなれない。そこもひっくるめて戦わないといけない。毎年、優勝を争うのが当たり前のチームにしていきたいし、若手に経験を伝えられる関係でいたい」

―今後のサッカー人生で、目標はありますか?

「これからの目標?
みんながハッピーになれるようにしたい。なんだろうな、自分自身は普通に、一緒にいる人たちと楽しく暮らせればいい。そこが一番大事かな。一人で何か成し遂げたいとか、何かをやりたいとかはない。でも、この仲間とリーグ優勝はしたい。絶対に」

text by Kohei Baba
2019年12月18日に「TOKYOism」に掲載されたインタビューより抜粋しております。

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