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FC東京NEWS vol.169
Route18~終わりなき旅~


橋本拳人

オレンジ色に灯るタワーに背を向け、あの日、後戻りできない旅に出た。その旅路で出会った道標に進むべき道を教わり、Surviveし続けてきた。そうしてシナリオなき、前人未踏の地へと踏み込む。ツリーが見下ろす街で、TOKYOの新たなアイコンの終わりなき旅は続く。道は半ば、橋本拳人の終着地はまだこの先にある。

―今年でプロ10年目、もっと成長したいという気持ちが枯渇しないのはなぜですか?

「もともと才能がある選手ではなかった。人から何かを吸収したり、学ばなければ、この世界ではやっていけないと思っていました。常に成長しないといけないという危機感は持ち続けてきた。プロ入り直後は、やってやるという気持ちしかありませんでした。でも、1年目、2年目と全く試合に出られなくて、このままじゃダメだと気づかされた。良い選手になるためにも人のいいところを盗んだり、考え方を変えないといけないと思った。そこから成長に対して貪欲になれたと思います。そうすることで、成長している実感や、自信がついてきた。それが今も続いているのだと思います」

―ある程度のところで、満足する選手もいますが 、それがないのはなぜだと思いますか?

そうは絶対になりたくない。もういいやとか、ここぐらいでいいでしょとは一生ならないと思う。そういう考
え方になったのは、若いころに熊本に期限付き移籍したことが大きかったのかもしれない。あのときは、
このままではサッカー選手としての道が閉ざされるかもしれないという不安がちらついた。当時はJ3もなく、J2の下位クラブで通用しなければ、プロとしてのキャリアを諦めなきゃいけないという岐路に立たせれていた。その場所を見たからこそ、はい上がろうと思って上をめざした。その経験は大きいと思う」

ー人より時間が掛かっても、地道にチャンスを引き寄せてきた。そういうキャリアを歩んでいますね。

「努力をしていなければ、ずっと“持っていない”人生だったと思います。やるべきことをコツコツ続けていけば、すぐにではないかもしれない。いつか自分に必ず返ってくる。そう信じて、やり続けてきました」

―今シーズンは、どんな一年にしたいですか?

「まずは、1年を通して個人の能力を最大限に上げていきたい。チームとしては、J1リーグとAFCチャンピオンズリーグのタイトルを獲りたい。そのためにも、勝利を手繰り寄せる選手になりたい。アカデミーで育ってきたからこそ、このチームへの愛着は誰よりもあると思っている。そういう選手がチームを引っ張れば、必ず強くなれるはずです」

text by Kohei Baba
2020年3月16日に「TOKYOism」に掲載されたインタビューより抜粋しております。


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