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第1回 現場広報レポート「絶対に、負けたくない」


第1回 現場広報レポート
「絶対に、負けたくない」

感染症の蔓延で、世界的にも出口の見えない戦いが続いています。
もはや日常とは、と考えてしまう時もありますが、そんななかで少しでも選手たちの熱をお届けできればということで不定期で現場広報レポートをお届けしたいと思います。

第1回目の今日は、4月21日に大分の昭和電工ドームで行われたアウェイ、ルヴァンカップ大分戦についてです。

現在、感染症の影響で試合後の取材はすべてリモートで行われています。
今までは試合後、メディアの方が選手と接触できる、ミックスゾーンというエリアが設けられており、そこで選手を囲み、試合について話を聞く、囲み取材というものがありました。

そこは熱気があふれ、選手が発する声を聞き漏らさないようにと、みんながボイスレコーダーやメモを取りながら、キーとなる言葉を引き出すひとつの勝負の空間だったように思います。今は無機質な部屋にパソコンを1台置いて、そこに監督や選手がきて、遠くにいるメディアの皆様からの質問に答える、というスタイルになっています。

入室すれば全員が録画でき、全ての質問は全員が聞ける、今のオンライン会議システムであれば当たり前なのですが、かつての熱気や表情の変化というものは汲み取りにくい環境になってしまいました。

現状、選手とメディアの皆様を繋ぐことができるのは現場広報だけです。

時には記者になったつもりで選手に質問したり、メディアの皆様からの要望を代弁するという新たな役割が出てきました。言い換えると選手とコミュニケーションを取る機会は非常に増えました。そのなかで、アウェイ大分戦の試合後、この日決勝点を奪った永井謙佑選手がオンライン会見に出席するため、控室で待っている時に少し話をしました。


得点後、両手を天に突き上げる

試合開始から全力疾走を繰り返し、猛スピードでボールを追いかける。そして、次の瞬間にはゴールを目指す。素晴らしいミドルシュートで決勝点を奪ったこの日のヒーローは、試合後ベンチで酸欠状態で、顔が真っ青になっていました。テレビインタビューを受けることができないほどの疲弊で、一瞬、身の危険を感じるほどの雰囲気で驚きましたが、徐々に顔色も良くなり通常通り話しができるようになりました。


守備でも前線から走り続けた

そんな永井選手に私は、常に全力で走り、相手GKにスライディングをしてまでボールを奪い取ろうとする姿勢に心を打たれたことを伝えました。

そして、こう質問しました。何が永井選手をそこまで駆り立てるのか。酸欠状態になるまで自分を追い込めるのはなぜなのか、と。

少しだけ考えた永井選手は、答えてくれました。

『んー、やっぱり絶対に負けたくないって気持ちが一番に来るんだよね。
もちろん苦しいんだけど、自分がどうなろうと、自分が行き切ることでチームのみんなが勢いづくし。俺が行けないとチームも行けなくなる気がして。本当、絶対勝ちたいって気持ちがすごく強く出てくるんだよね』


2人に囲まれながらも必死にボールキープ

誰かのために、自分を犠牲にしてでも全力を尽くす、自分のリミッターを外して戦い抜く。そのプレースタイルに、人は心を動かされるんだということを改めて感じました。

試合の勝敗は誰にも分かりませんが、全員が勝つ確率を1%でも上げようと、日々全力でサッカーと向き合っています。

選手の熱を届ける機会が減ってしまっていて寂しいですが、絶対勝ちたいという気持ちがテレビを通じても届くように。1人でも多くのファン・サポーターの心を揺さぶれるように。我慢をしながら暮らす日々に、喜びという刺激をたくさん届けられるように。

次の試合も『絶対に、勝つんだ』という強い気持ちでともに戦いましょう。


この日も前線で身体を張り続けた


何度も立ち上がり走り続けた


チームの為に走り続けた男をみんなで迎える



交代後も酸欠状態のなかピッチの仲間を鼓舞し続けた


酸欠状態でも...渾身のガッツポーズ!


(c)F.C.TOKYO